御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます！〜

和服姿の秋香さんはとても美しい。着物での所作もしっかり身につけているようだ。
美咲さんから、秋香さんが茶道と華道の師範を持っていると聞いた。元々超がつくお嬢様だけれど、きっと周さんに相応しい女性になるために努力されたんだと思う。
今となっては、なぜ周さんが私にプロポーズしたのかわからない。こんなに周さんを想っている人が近くにいたのに。

「お待たせいたしました。」

「ありがとうございます。」

「今日は仁貴ちゃんを預けてお出かけ？」

「やっと髪を切りに行けたの。すっかりロングヘアになっちゃいましたよ。」

「すごく綺麗よ？　このまま伸ばすの？」

「夏に式を挙げるんです。アレンジしやすいように、とりあえず長いままにしておこうかと。」

「なるほど…。それってヘブンリーゲートブリッジホテルよね？」

「そうです。昨日初めてブライダルサロンに行って来ました。」

「もちろんチャペルよね？
ちょっと羨ましいな〜。うちは松村家が代々明治神宮って決まっていたから。披露宴も記念館だし。」

「エェ！　何言ってるんですか⁉︎
神前式の最高峰じゃないですか〜！　
めちゃくちゃカッコいいですよ？」

「まあそうなんだけどね。でも、やっぱりちょっとチャペルは憧れるじゃない？」

「…そうですねぇ。でも、記念館ではウエディングドレスも着られるんですよね？」