御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜

入れ替わりに昼食が運ばれて来た。
ドアの前でずっとスタンバイしていたのだろう。
申し訳なかったな。

昼食は塗りの箱に入った上品な松花堂弁当だった。手の込んだ和食のお弁当なんて、なかなか食べる機会がなかったのでとても嬉しい。

「花、本当に気を遣わなくて良いんだぞ?
フルオーダーにしたらどうだ?
一生に一度のハレの日だからな。うんと綺麗な花をみんなに見せたい。」

「寿貴先生…」

もう〜〜!溺甘なんだから!

「そう言ってくれるのは嬉しい。
でもこれ、ちょっと見て?このデザイナーさん、知らない?」

「…いや、さすがに俺でも名前は知っているぞ。」

「うん。だってウエディングドレスのデザイナーでは第一人者と言って間違いない人だからね。
それがセミオーダーで作れるんだよ?
すごくない⁉︎
しかも時岡さんのお話では、このカタログのドレスはレンタルで取り扱いしてないんだよ?
これ、後で見に行きたい。
特にこのドレス、一目見て気に入っちゃった!」