そう言って周が俺に訴えかけてくる。
もちろんそれはわかってる。
秋香と婚約する前に、全ての女と手を切ったのも知ってる。逆に秋香もな。あいつもフラフラしてたからな。ま、似た者夫婦なんだろう。
「秋香だけじゃなかったらぶっ殺す。
ま、信用してるけどな。」
「…でもな…………。
寿貴、俺はちょっとお前が羨ましいよ。」
「は? 俺が⁇
都市伝説では、魔法使いの域に達していた俺がか? 周…意味がわからんぞ。」
「いや…。兄貴がいるところで言うのも…とは思うが…。まあ、春彦、許せ。」
「…なんだよ。」
「婚約してすぐの頃だった。
秋香が若女将修行に入って2日目だ。
タワーに入ってるIT企業の若社長が、松寿庵に菓子を買いに来たんだ。よく客先への手土産を買いに来てくれる上客だった。けどな…そいつは、秋香のボーイフレンドの1人だった。秋香がただ転職しただけだと思ったんだろう。俺の目の前で秋香を誘ったんだ。
今晩どう? ヘブンリーに部屋を取るからさ、ってな。」
「……」
「俺、あんなに頭に血が上ったのは初めてだったかもしれない。上客だったのも忘れて言ったんだ。
『秋香は俺の婚約者だ! ここの若女将なんだよ。見てわからないか? 今まで通り遊べると思うな! 二度と話しかけるんじゃない! とっとと失せろ!』ってな。」
「……」
もちろんそれはわかってる。
秋香と婚約する前に、全ての女と手を切ったのも知ってる。逆に秋香もな。あいつもフラフラしてたからな。ま、似た者夫婦なんだろう。
「秋香だけじゃなかったらぶっ殺す。
ま、信用してるけどな。」
「…でもな…………。
寿貴、俺はちょっとお前が羨ましいよ。」
「は? 俺が⁇
都市伝説では、魔法使いの域に達していた俺がか? 周…意味がわからんぞ。」
「いや…。兄貴がいるところで言うのも…とは思うが…。まあ、春彦、許せ。」
「…なんだよ。」
「婚約してすぐの頃だった。
秋香が若女将修行に入って2日目だ。
タワーに入ってるIT企業の若社長が、松寿庵に菓子を買いに来たんだ。よく客先への手土産を買いに来てくれる上客だった。けどな…そいつは、秋香のボーイフレンドの1人だった。秋香がただ転職しただけだと思ったんだろう。俺の目の前で秋香を誘ったんだ。
今晩どう? ヘブンリーに部屋を取るからさ、ってな。」
「……」
「俺、あんなに頭に血が上ったのは初めてだったかもしれない。上客だったのも忘れて言ったんだ。
『秋香は俺の婚約者だ! ここの若女将なんだよ。見てわからないか? 今まで通り遊べると思うな! 二度と話しかけるんじゃない! とっとと失せろ!』ってな。」
「……」



