【男子会】


「失礼いたします。
松村様、葛城様。
桜川様と、藤田様が到着されました。」

「お! お疲れ〜。
結婚式、無事終わって良かったな。
新婚旅行どうだった?」

「良かったよ。ゆっくり出来た。涼しかったし。仁貴が大きくなったらまた行きたいところだ。」


親友の桜川寿貴とその愛弟子の藤田昇平が、仕事を終えてラウンジにやってきた。今日はこれから男だけの飲み会だ。これを妻の美咲なら『それは男子会って言うのよ!』と言うだろう。ちなみに妻達はそれぞれ実家に帰っている。

俺は葛城春彦。ベリヒルホスピタルで消化器内科医をしている。現在、修行と称して勤務医をしているが、いずれは…いや、近いうちに、実家の葛城総合病院に副院長として就任する予定だ。


「いいよな、グランピング。俺も冬馬を連れて行きたい。釣りとか出来るの?」

「もちろんだ。渓流釣りは初めてだったから慣れるまで大変だったけど、アマゴとヤマメが1匹ずつ釣れた。ビギナーならいい方だって。バーベキューも美味かったし、星空も綺麗だった。」