昇平と香ちゃんは、皆さんと同じように夢の国へ旅立っていった。香ちゃんの左の薬指にはキラキラ光る指輪が。とても幸せそうだった。



ウェディングパーティーのゲストをお見送りして、帰りの荷物をまとめていると、京くんが大きな箱を抱えてやってきた。

「京くん! 今日はありがとうね〜!
歌もすごく良かったよ〜。ありがとう!
………随分大きな箱だね?」

「花、ごめん。うちの両親、来られなくて。」

「いやいや、お忙しいのはわかってるから。
それに斎さんはよくこっちに来てくれているの。
…うーん。美央おば様にはお会いしたかったなぁと思うけどね? 久しくお会い出来てないから。」

美央おば様はHASEGAWAの社長夫人。愛先生の親友なので、小さい時からよく遊んでもらった。高校に入ると、非常勤のスクールカウンセラーとして、生徒相談室にいらしたのだけど、小さい時から美央おば様と呼んでいたものだから、長谷川先生と呼ぶことに慣れなくて、結局美央おば様と今でも呼んでいる。いつもおしゃれで、見た目は日本人形のようなたおやかさがあるのに、かなりパワフルな面白い方だ。