「花様、とても素敵ですわ。
実はこのドレス、なかなか着こなせる方は少ないんですよ。マーメイドラインのドレスはシルエットが命。身長の高さと、メリハリのあるスレンダーな身体でないと選べません。なかなかハードルの高いドレスなんです。
このように完璧に着こなされている方は初めて見ました。」

エェ! そうなの⁇

「私…身長が高いのはずっとコンプレックスで…。しかも子持ちだから、なるべく大人しいドレスにしようと思っただけなんですけど…。」

「自信をお待ちください。
今まで私がお手伝いさせていただいた新婦様、皆様、この結婚式当日は幸せいっぱいに輝いていらっしゃいました。それはそれは美しく。花様もですよ。群を抜いて美しいくらいです。
私は、準備の最初の段階からお2人の仲睦まじい姿を拝見しておりました。新郎様、花様にベタ惚れじゃないですか。花様が可愛くて仕方がないのでしょう。新郎様にとって、貴女は世界一の花嫁なんですよ。これまで以上に、存分に魅了して差し上げてください。
さ、親族の皆様がお待ちです。行きましょう。」

そう言って、時岡さんは最大限の賛辞をくださった。

寿貴先生にとっての世界一の花嫁…
…可愛いって言ってくれるかな?