仁貴のおでこに優しくキスをする花。
やっぱり聖母のキスだ。

こだわりのウエディングドレスは最高に花に似合っていた。花の長身を引き立てる高い位置からの腰のシェイプ。完璧なボディライン。どんなモデルでも、花ほどこのドレスを綺麗に着こなせないだろう。これは花のためのドレスだ。

義父に言われるまでもない。
一生、愛でて愛でて愛でまくるさ!

もう何度思ったことか…。
この俺が結婚式を挙げているなんて、奇跡が起きたとしか言いようがない。しかも最愛の人とだ。そして俺にそっくりな息子。拗らせていた、花に出会う前の俺に言ってやりたい。真面目に生きていたら、ちゃんとご褒美が待ってるぞ。お前、ちゃんと最愛の奥さんと結婚出来るからな。しかも息子にまで恵まれるんだぞ。悲観することはないからな!…と。