「…ほら、お父さん、泣かないで。
家族思いで、いつも私の事を第一に考えてくれるお父さんが大好きよ。」

俺様で、泣き虫で、感情がストレート過ぎるお父さんが大好きよ。

「これからもずっとそばで見守っていてね?」

うん、うん、と首を縦に振る父。
もう! この扉開けたら皆んなびっくりしちゃうよ。


…コホン
賢人くんが咳払いをした。

「…花ちゃん、仁さんも、そろそろ大丈夫ですか?」

賢人くん、呆れているかな?
と見上げると、とても優しい目で頷いてくれた。

「はい。」

「…ああ。花と歩くバージンロードだ。
しっかり目に焼き付けておかないとな。」

もう一度優しく頷く賢人くん。

「では、扉が開きましたら、私の合図で、まず一礼してください。そして、ゆっくり前へお進みください。」




式が始まった。