「ゲッ! ………山﨑か⁉︎」

「朝倉くん……?
え、本物? ……朝倉くんて朝倉コーヒーの朝倉くんだったの⁉︎」

妹の里帆ちゃんは、なんと宣くんの同級生だった。同じ大学の同じ学部らしい。
こんな偶然、あるものなんだ。

突然増えた親族に仁貴は大興奮だ。
何より、大好きなパパがやって来たのが嬉しかったらしい。皆んなが『おいで〜』と言ってもパパから離れようとしないのだ。
でもパパに抱っこされながら、ニコニコとやっぱり興奮気味。皆んなに愛想を振りまいてくれている。
誇らしげにはにかむ寿貴先生。また仁貴と似ていると言われて照れ臭そうに笑っている。大好きな笑顔だ。3人揃うことでホッとする自分がいる。私の家族はもう寿貴先生と仁貴なんだ。ここが私の居場所だ。
私の方に視線を送ってきた寿貴先生に、口だけを動かしてで伝えた。

『アイシテル』

と。