3階から2階といっても、レジデンスの場合、一度下に降りて、コンシェルジュを通さなければ訪問することは出来ない。

すぐにコンシェルジュから連絡があった。

しかし、訪ねてきたのは…。
なんと。寿貴先生と桜川の両親に、美咲さん夫妻。それから従姉妹さん2名だ。これだけ揃えば、明日の親族紹介、カットしてもいいんじゃないの?

全員をお招きしても、やはり二間続きの和室はまだ余裕だった。こういうの、確か大広間っていうんだよね。

「お! 雅貴くん! 久しぶりだなぁ。」

「善さん、ご無沙汰しています。」

ここは何十年ぶりかの再会らしい。
まだ雅じいちゃんが関西にいた時まで遡るのかもしれない。

「家内の美子(よしこ)と息子の寿貴。
あと、娘婿の葛城春彦に娘の美咲、孫の冬馬です。」

「雅貴くん、立派になって。家族も増えて何よりだな。寿貴くん、幾久しく頼むよ。」

「こちらこそ。不器用な息子にやっと来たお嫁さんです。大切に預からせていただきますよ。」

「花の夫の桜川寿貴です。ご挨拶が遅くなってすみません。」

「それと、私の妹の娘達なんです。
山﨑真帆と里帆です。この子達の実家はコーヒー工房の近くにあるんですよ。」

「山﨑真帆です。宜しくお願いします。今、大学4年生です。」

「あ! 私と同学年⁉︎  真帆ちゃん宜しくね〜。」

環ちゃんと真帆ちゃんは早速意気投合しそうな雰囲気だ。