結局、食べ終わってもイケメン総支配人は戻って来なかった。

呑気に『よくばりセット』なるものを食べた昇平は大満足したようだ。
すごい摂取カロリーだな。
……ま、若いからな。
午後からうんと働かせてやろう。

「賢人くん、帰って来なかったね。」

「やっぱりそのまま事務局に行ったみたいね。
サンドはBOXに入れてもらってて良かったわ。」

「俺達はそろそろ仕事に戻るよ。仁貴、ママのとこに戻ろうかー。そろそろ授乳だろう?」

「うん。ケープ持ってきてるから大丈夫だよ。」

「じゃあ光さん、ご主人に宜しくお伝えください。それとさっき言ったように、点滴に通えないようであれば、昇平に行かせますので。花にでも連絡入れてもらえればすぐ手配します。」

「ありがとうございます!
すごく助かります。」

「光、無理するなよ。
俺達がそばにいるからな。いつでも頼ってくれ。」

「ありがとう。昇平も頑張ってね。」

別れの言葉を言い合っていたところに、やっとイケメン総支配人が帰ってきた。
今日もピシッと黒服を着ている。
……え? 黒服⁇
今日は休みじゃなかったか?

「ごめん! 遅くなった。」

「賢人…。どうだった?」

「途中で桜川院長も来てくださって、前向きに検討してもらえることになった。
とりあえず、花ちゃん達の結婚式はここで出来る事になった。それからその様子を見て今後のことは決めるって。」