何でこうなったんだ……。

俺は今オフィスビルから少し離れた居酒屋に来ている。

周りはガヤガヤとうるさく、隣同士に座っていても大きな声でしゃべらないと周りの声にかき消されてしまう。

涼がビールを片手に体を机に突っ伏した。

「あーあ、いいよなーー。玲奈さんと副社長、今頃ラブラブしてんだろうな。俺も玲奈さんとラブラブしたかったーー!!」

それを聞いていた萌がキャハハと笑い出す。

「何それ、未練タラタラじゃん!!かっこ悪るーー」

「そう言うお前はどうなんだよ」

「そりゃ、あの二人を見ていれば辛いこともあるけど、私は二人のことが好きだから……。二人には幸せになってもらいたいなって思っているよ」

ん……?

どういうことだ?

俺がキョトンと二人を見つめていると、涼が「あっそうか」と話し出した。

「翔真が入社する前に俺は玲奈さんに、佐藤は副社長にフラれてんだよ」



「・・・・」



「えーーーー!!!!」



余りの衝撃に大きな声を出してしまったが周りもうるさいため、あまり気にはされなかった。