玲奈は優人を待たせないよう急いでシャワーを浴びた。

そして、はたと思う。

こんなに早く出るのはどうなのかしら?

もっとゆっくりした方がいい?

ガウンを羽織り右往左往する玲奈だったが扉の向こうから「玲奈」と呼ぶ優人の声にハッとした。玲奈がゆっくりと扉を開けると心配そうに眉を寄せる優人の顔があった。

優人さん……?

「ごめん、玲奈」

えっ……何?

どうしたの?

優人は玲奈を抱き寄せると腕の中に閉じ込めた。

「俺……玲奈の気持ちも考えないで……玲奈が嫌なら帰ろうか?」

玲奈がゆっくりと顔を優人に向けると、今にも泣き出しそうな優人の顔が……。

そんな顔しないで……。

いつも自信に満ちあふれた爽やかな顔が今は、何だか幼く見えて玲奈の胸はキュンと締め付けられた。

玲奈は優人の頬にそっと触れると唇を寄せた。

「帰りません。私は優人さんと一緒にいたいです。ダメ……ですか?」

そう言った玲奈の瞳は恥ずかしそうに潤みながらも、ジッと優人の瞳を見つめていた。


優人は息を呑んだ。


「玲奈…今のが最後の警告だよ。……いい?玲奈を俺のものにする」

玲奈がコクリと頷くのを確認し、優人は玲奈の両膝の裏に手を差し入れると、抱き上げベッドルームへと向かった。

優人はベッドの上に玲奈をそっと降ろすと沢山のキスを落としていく。

「玲奈愛している」

そう言った優人の瞳がキラリと光ると優しいキスが少しづつ激しくなっていった。

「……んっ。……優人さん」

優人の唇が離れ、肺に空気が入ってくると玲奈はホッとし、呼吸を整えるため息を吸った。

玲奈の耳に優人のかすれた声が聞こえてきた。

「もう離さない、俺の……俺だけの玲奈……」

ドクンッと心臓が跳ね、体の熱が上がっていく。

優人さん……。

「私は優人さんだけのものです」

「……お願いだからそう言ってあおらないで……」

グッと喉の奥からうなるような声を出した優人は、おでこ、ほほ、唇、顎と玲奈にキスの雨を降らせていく。そして、少しづつ下へ下へと下がっていった。

首……鎖骨……それから…………。

「優人さん愛しています」




二人の目眩く夜は始まったばかり。