* 玲奈side


玲奈はホテルのスイートルームのソファーに座っていた。

食事は優人さんがルームサービスを頼んでくれたためおいしく頂き、今は食後のフルーツの盛り合わせとシャンパンを頂いでる。

「玲奈ほらこのイチゴ甘くて美味しいよ」

イチゴを持った優人の指が玲奈の唇に触れる。

「優人さん、またそういうのやめて下さい」

「ふっ……。いいじゃないか、ほら……あーん」

もう。

いつも、こうやって優人さんのペースになっちゃんうんだから。

玲奈は差し出されたイチゴをパクリと口に含んだ。

「今回は素直だね」

そう言った優人の唇が玲奈の唇にふれる。

「甘い……きみの唇は甘くて柔らかい」

優人の瞳が熱く甘くなっていく。

ひゃーー。

優人さんの瞳の方が甘いんですけどーー!!

「玲奈、今日は帰したくない」

「あの……優人さん、それは……」

優人の唇が玲奈の耳に触れ、優人が優しく囁いた。

「シャワー玲奈から浴びる?」

ひっ……ひぇーーーー!!!!

セクシーボイス!!!!

優人のその言葉で、この後の展開が見えてくる。

「まっ……優人さんからお先にどうぞ」

「うん。じゃあ先に行ってくるね」

優人が浴室へと消えていくと、玲奈は腰を抜かしたように床にペタリと座り込んだ。

これって、そういうことよね?

これから私は優人さんと……。

あれこれと考えているうちに時間が経ってしまい、気がつくと優人が浴室の戸を開けて、こちらへと向かってきていた。

浴室から出てきたガウン一枚の色香漂う優人の姿に目を奪われてしまう。

優人はまだ乾ききらない髪を軽く掻き上げながら玲奈に近づいてくる。

「まっ……優人さん、目のやり場に困ります」

「ん?何が?」

「だっ……だって、その……鎖骨とか……」

はだけたガウンからチラリと見える、うなじ、鎖骨、鍛え上げられた綺麗な腹筋が……なんともセクシーで……。

女の私よりセクシーな感じがする。

長く見ていてはいけない気がして玲奈は両手で目を覆いながら、逃げるように浴室へと向かった。

その時、後ろから優人のクスリと笑う声が聞こえた様な気がした。