「お父様どうしてこちらに?」

「玲奈が頑張っている姿を見たかったんだよ。少々邪魔は入ってしまったが大成功だな。その加湿器を玲子にも買ってあげたいから予約しておいてくれるか?」

「ええ、お母様喜びますね」

玲奈が父親孝史(たかし)との会話を終え仕事に戻っていると、優人と孝史がコソコソと話しているのが目に入ったが時刻は十六時、片付けが忙しく二人の会話を聞くことは出来なかった。

「玲奈、仕事が終わったら食事に行こう。今、孝史さんには了承を得たから大丈夫だ」

なるほど、二人で話をしていると思ったら食事のことだったのね。

それにしてもお父様は機嫌が悪そうね?

どうしたのかしら?

お父様は何だか眉間に皺を寄せて難しい顔をしているから何かあったのかと思ったけど……。

優人さんと二人で食事をすることは最近増えたけど、いつも笑顔で送り出してくれていた。

あんな顔をするお父様は見たことが無かった。

「明日は休みだし、少し遅くなっても着替えて行った方がいいかしら?」

「ん……?玲奈がそうしたいならお洒落しておいで」