汗が止まらないといった様子の神川は、ポケットから取り出したハンカチで額や頬を拭っていく。

「神川社長あなたの考え方は偏っている。確か、あなたには息子さんがいましたよね?そろそろ失脚する時なのではありませんか?」

その言葉は問いかけであったが、実際に失脚しろという命令に等しかった。

神川はガクリと両手、両膝を地面につき、項垂れることしか出来なかった。その後ろで百合亜は両手を口に当てガクガクと震えていた。

自分の傲慢さ、わがままさ故に今回の騒動は起きた。

大変なことをしてしまった。後悔してもしきれない。

百合亜はここから挫折への道を歩むのか、それとも心お入れ替え幸せになるかは本人しだいだ。