それから、あっという間に時は過ぎ、開発部への企画書も順調にすみ、本日開発部から試作品が完成したと言う知らせが入った。

玲奈、萌、涼、翔真の四人は早速開発部とやって来ていた。

「企画営業部の皆さんお待たせしました。今回の加湿器、開発部の社員達もかなりの自信作で良い物が出来たと喜んでいたんですよ。さあ、実際に電源を入れてみましょう」

そう言ったのは開発部、部長の大橋さんだった。

大橋さんが加湿器の花の鉢になる部分に水を入れ、電源を入れると茎を通って花のつぼみの中心から蒸気が出てきた。

それを見ていた萌が歓喜の声を上げた。

「キャーー!!かわいい。良い香りもする」


「もう少し待っていて下さい、これからですよ……ほら……」

四人が固唾を呑んで待っていると……花のつぼみが一枚一枚ゆっくりと開いていった。

更に萌が手を叩いて喜びの声を上げた。

「キャーー!!可愛い。本当にお花が咲いていくみたい!!」

「本当に可愛いし、綺麗だわ。大橋部長とても良いです。ありがとうございます」

頭を下げる玲奈に部長は微笑むと「まだありますよ」と鉢の横にあったボタンを一つ押した。すると花が淡い光を放ち光り出した。ピンク、水色、黄色と色を変えていく様子は本物の花とは違い幻想的だった。

「「「「わーーーー!!!!」」」」

それを見ていた四人の声が重なっていく。

「すごい……」

「お前が考えた加湿器だぜ。すごい物が出来たな」

涼が翔真の肩を組みニッと笑うと照れくさそうに翔真も笑った。


俺の考えた物がこんな風に形になるなんて……。


何だろう……この感じ……。

達成感って言うのかな?

やりがいって言うのかな?






すっげーーうれしい!!!!




仕事ってこんなに楽しいんだ。




「さあ、みんな、これを持って帰って次は試作発表会の準備に取りかかるわよ」

「「「はい!!」」」

三人の元気な声がハモり、嬉しそうに微笑む玲奈に三人の視線が釘付けとなった。