新年を迎え、三月を終えて、少年は中学二年生へ進級した。
きみへの思いは、日を重ねるほどに増すばかりで、押さえることが出来ないほど、大きく育ってしまった。
そして、明日は少女の命日だ。
手向けの花束を買いに外へ出ると、桜の花びらが風に舞い、道路を淡い桃色で染めていく。この道をきみと並んで歩けたなら、どれだけ幸せだったのだろう。
立ち止まり、空を見上げる。
澄み渡る蒼穹に、涙が溢れ落ちた。
パーカーのポケットに仕舞っていた懐中時計を取り出す。文字盤は、ひび割れたままだ。それなのに、いつの間にか、長針だけは進んでいて、気がつけば、五十八分を指している。
この短針が長針と交わったとき、どうなるのだろう。
そんな思いが、ふと、よぎる。
明日は、明日だけは、きみのために過ごそう。
きみへの思いは、日を重ねるほどに増すばかりで、押さえることが出来ないほど、大きく育ってしまった。
そして、明日は少女の命日だ。
手向けの花束を買いに外へ出ると、桜の花びらが風に舞い、道路を淡い桃色で染めていく。この道をきみと並んで歩けたなら、どれだけ幸せだったのだろう。
立ち止まり、空を見上げる。
澄み渡る蒼穹に、涙が溢れ落ちた。
パーカーのポケットに仕舞っていた懐中時計を取り出す。文字盤は、ひび割れたままだ。それなのに、いつの間にか、長針だけは進んでいて、気がつけば、五十八分を指している。
この短針が長針と交わったとき、どうなるのだろう。
そんな思いが、ふと、よぎる。
明日は、明日だけは、きみのために過ごそう。



