ぼくたちが温泉から上がると、ご主人さまは、
「食料調達次いでに、散歩するか」と言った。
「はい!」散歩と聞くだけでぼくは嬉しくなって返事をした。
「おぉ、じゃぁどこ行こうかなぁ」と考えているご主人さまに、
「あの木はなんですか?」とぼくは、ピンク色の木を指差した。
「ん?あれか...あれは、サクラだよ」と言いながらご主人さまは、ぼくを持ち上げた。
「どうだ?綺麗だろ?」そう言ってぼくをピンク色の花に近付けた。
 風が吹いた。風は、サクラの花を取ってぼくたちに降らせる。
「おぉ、サクラ吹雪だ」と嬉しそうなご主人さま。ぼくは、そのサクラ吹雪に見惚れていた。
 ぼくとご主人さまは、商店街を歩いていた。ぼくらの国とは違って、楽しそうな感じがする。ご主人さまは、リンゴや、魚、折り畳み出来る釣竿を買いながら、奥へ奥へ歩いて行った。