「着いたぞ」ご主人さまは言いながら、ぼくの目から手をとる。
目を開けると、暖かい空気が広がりピンク色の木が大きく枝を広げて立っていた。
「行くぞ?」と言われ、ご主人さまの後を追いかける。進めば進むほど、煙のようなものが広がっていく。
「ここだ」そう言って、ご主人さまが止まったのは、古いお店だった。
「ご主人さま。ここは?」ぼくが訊くと、
「ここは、温泉だ。入るぞ」と言われ、ぼくらはお店の中に入った。
 中は、少し古びてて懐かしい感じがした。
「服を脱ぐぞ」と言われ、ご主人さまの真似をした。
 ガラッと扉を開けると、さっきのピンク色の木に囲まれたお風呂があった。
「ご主人さま!」ぼくは嬉しくてご主人さまを呼んだ。
「ルシア、初めてか?」と訊かれてぼくは頷く。
「そうか、じゃこっちにおいで」そう言われて、ぼくはご主人さまの前に座った。