夕食はご主人さまが獲った魚だった。串をさして塩をかけた。こんがりと焼けた魚は塩っぱくて美味しかった。
「喉渇いてないか?水もあるから飲みなさい。明日には、五月町を離れて夏の国に向かう...ただ、飛んでいけるのは手前までだ。そこからは歩きになるから気を付けなさい」ご主人さまはそう言った。ぼくには、手前までしか飛べない理由が分からなかった。
でも、この先行く場所でぼくはこの世界の狭さや人間の卑劣さを知ることになる。