次の日の事だった。
「起きろ〜ルシア」と言うご主人さまの声でぼくは目を覚ます。
「朝食だ。食べな?」と寝起きのぼくにリンゴを投げる。
「思ったより、魚が早く干せた。今日、出発するぞ」と言って、大きな葉で包まれた物をぼくにまた投げた。
「保存食だ。持っとけよ?」ご主人さま言って、昨日の焚き火の残骸を片付けた。
「どこにいくんですか?」
「五月町だ」
「ごかつちょう...ですか?」
「そうだ。意外と面白い場所になる」そう言うと、ご主人さまは洞窟から一歩外に出た。追いかけるように、ぼくも洞窟から出た。
「行くぞ!」とぼくを持ち上げたご主人さまは、助走をつけて崖から飛び降りた。