「この星空は、国によって違うんだ」とご主人さまは言う。
「全部の国で違うんですか?」ぼくが驚いて訊くとご主人さまは静かに頷いて、
「星の並び方、数。光の様子...全部違う。その国によって特徴があるんだ」と言った。
「そうだなぁ、例えばここ春の国。ここは比較的、弱い光を持つ星が多く全体的に星の数は少ない方だ。でも、並び方は規則正しい」ご主人さまは星を指差しながら説明してくれていた。
「そうなんですか?」ぼくが訊くと、ご主人さまは、
「それだけじゃない」と星空を眺める。
「春の国の星空は、他の国より特徴的でな。唯一、自由型惑星のない集合体なんだ」と言った。
「自由型惑星ですか?それって、なんですか?」ぼくが訊くと、ご主人さまは少しだけ唸っていた。