翔んでアルミナリア

「なかなかの健脚ね、ミカコ」
前を行くエレオノア姫に、振り向いて声をかけられる。
「この庭園は勾配があるから、階段を上ったり下りたりしていると、息を切らしてしまう宮女もいるの」

「足腰は丈夫でございます」
なんせ両親が山登りが好きなので、子どもの頃はよく週末に山登りをしていたのだ。ついでに中学時代は陸上部で、中・長距離を走っていたので、わたしの自信にはそれなりの根拠がある。

「頼もしいわ」
エレオノア姫がふわりと笑む。

姫君が微笑んでくれると、わたしはわけもなく嬉しい。わたしなりに忠誠心みたいなものが芽生えているのか。

そういえば、わたしたちがアルミナリアに迷いこんだ場所は、なぜかこの後宮の庭園だった。
あのとき姫君はひとりで———泣いていたのだ。