翔んでアルミナリア

垣間見るだけだけど、事情を知らなければ絵に描いたような美男美女カップルだ。
お似合いです、と言いたくなる。

ファンタジー作品の定石で、主要キャラクターは美形ぞろいだ。でないと画がしまらない、とは蓮くんの言い分だ。
リュシウス帝も鮮やかな赤い髪が目を引く、なんとも凛々しい男性だ。

とはいえアルミナリア帝国を統べる皇帝は、寵姫にばかりかまけていられない。
夜は別として、日中は二、三日(おとな)いがないことも珍しくない。

後宮から出ることができないエレオノア姫は、本を読んだり、刺繍を(たしな)んだり、供を連れて、あるいはひとりで庭園を散策したりと、静かな時間を過ごしている。

ある日、姫君の庭園の散策のお供にわたしが指名された。
パンバに教えられて、バスケットを持ってエレオノア姫の後を歩く。

「陛下がカリンガからも、花や木の苗と種を取り寄せてくださるの。庭師が腐心しているのだけど、なかなかうまく根付かないわ。きっと気候や土が違うからね」
そうつぶやきながら庭園の花に触れる姫君の姿は、花の精がひとの形をとったかのようだ。