翔んでアルミナリア

「それにしても、実花子よくこんな作戦思いついたな」
なぜか蓮くんは誇らしげだ。

「んー、あれだよ。木登りが苦手な猿が木の実を取ろうとして道具を使えるようになる、みたいな」
導力は使えない、並外れた知覚能力もない、語学もできない、ないない尽くしだからこそ姑息な手段も思いつくのだ。

「蓮くんだってすごいよ、みんなが驚くくらい知識と観察力があって」

「いやもともと、俺の知識をベースに生まれた世界なわけだから」
照れたようにそっぽを向いて、ふと気づいたように、なんかいい匂いがする、とつぶやく。
「花みたいな」

「あ、これ匂い袋だよ。蓮くんがくれた蓮の花で作ったんだ」
ポケットから小さな布の袋を出してみせる。

「こんなところまて、持ってきてくれてたんだ」
目を見張りつつも嬉しそうだ。

「お守りにね」

「暗闇の中にいるせいか、匂いに敏感になるんだな」

たしかにほんわりと花の香りがする。

「そろそろ俺たちも爆破に備えようか」

そうだね、と頷く。