翔んでアルミナリア

「横穴があった、探ってみよう」
蓮くんが足を止める。

「うん、そうしよう」
そこまで声のボリュームは絞らない。会話をリランに聞かせるためだ。

二人で横穴に身を滑りこませる。ひとまずここまで命が持ったことにほっとする。

岩壁の裂け目は人ひとりようやく通れるくらいの隙間しかなかったけれど、内部はありがたいことに意外と幅があった。

わたしたちの役目は基本的にここで終わりだ。あとは待機である。
蓮くんは内部をしきりと燐光石で照らして調べている。上を見上げて「嫌な感じだな」とつぶやいた。

見上げてわたしにも理由が分かった。この空間はざっくりいうと、上部にいくにつれて狭くなる三角錐のような形をしていた。
そして細かい侵食が及んでおり、氷柱や鋸のように細く鋭い岩盤が垂れているのだ。
なにか衝撃が加われば、降り注いでくることが容易に予想できた。

しかし今さらここを出て、他の穴に潜る時間はなさそうだ。そもそも他の穴の内部がここより良好という保証もない。
ここで凌ぐと腹を括るしかない。