「…超音波ではなく亜音速の爆縮を…」
「…水蒸気爆発の原理を応用し…」
導師二人は顔を突き合わせて、化学の授業のような議論を交わしながら見えない爆弾を作り始める。
わたしと蓮くんは、相手を撹乱する役割だ。撹乱というより囮りという気もするけど。
ともかく時間稼ぎのために、二人で来た道をのろのろと戻る。
そして頃合いをみて横穴に入る、という行為自体にさして意味はない。逃げ道を探しているように見せかけて敵の注意を引きつけるのが目的だ。
そのあいだに、導師二人が見えない爆弾を敵の頭上に運ぶのである。
セレマイヤが燐光石を導力で切断した欠片をくれたので、その豆電球のような明りを頼りに、蓮くんとしっかり手を繋いで暗闇を進む。
意味ありげに岩壁を触ったりして、逃げ道を探しているように思わせようと努める。
導力で攻撃される恐れがなきにしもあらずだけど、この作戦の前提でもある、見えない相手には導力を及ぼしにくいという部分に期待するしかない。
隧道が湾曲しているので、歩き始めて十メートルほどで、仲間の姿は見えなくなった。
この先、大きく屈曲している地点に敵が潜んでいる。
相手の視界がすなわち導力の圏内なので、そこまで近づかないよう注意が必要だ。
注意というか、生死を分けるのでまさしく必死だ。
「…水蒸気爆発の原理を応用し…」
導師二人は顔を突き合わせて、化学の授業のような議論を交わしながら見えない爆弾を作り始める。
わたしと蓮くんは、相手を撹乱する役割だ。撹乱というより囮りという気もするけど。
ともかく時間稼ぎのために、二人で来た道をのろのろと戻る。
そして頃合いをみて横穴に入る、という行為自体にさして意味はない。逃げ道を探しているように見せかけて敵の注意を引きつけるのが目的だ。
そのあいだに、導師二人が見えない爆弾を敵の頭上に運ぶのである。
セレマイヤが燐光石を導力で切断した欠片をくれたので、その豆電球のような明りを頼りに、蓮くんとしっかり手を繋いで暗闇を進む。
意味ありげに岩壁を触ったりして、逃げ道を探しているように思わせようと努める。
導力で攻撃される恐れがなきにしもあらずだけど、この作戦の前提でもある、見えない相手には導力を及ぼしにくいという部分に期待するしかない。
隧道が湾曲しているので、歩き始めて十メートルほどで、仲間の姿は見えなくなった。
この先、大きく屈曲している地点に敵が潜んでいる。
相手の視界がすなわち導力の圏内なので、そこまで近づかないよう注意が必要だ。
注意というか、生死を分けるのでまさしく必死だ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)