翔んでアルミナリア

まずは敵の位置と配置を正確に知る必要かあった。

今いる隧道は緩やかにうねり、途中一ヶ所で大きく屈曲している。その地点で敵は構えているというのが皇帝の読みだった。

忍び足でリュシウス帝がもと来た道を進んでゆく。手振りの合図で、エストライヘル師が前方の上部に、空気中の水蒸気を集め水滴の層を利用して小さな鏡を作った。
ゆっくりと角度を変え、敵のいる方向を映し出す。
一瞬だった。皇帝がふたたび手を上げ鏡は瞬時に消滅する。

遠目、暗がりで、正直わたしにはなんの像も見えなかったが、皇帝の視力をもってすれば十分だったようだ。

戻って来たリュシウス帝は、地面に石つぶてで点と線を描きながら、敵の人数と配置を説明する。
「相手もこちらと同じく六人。クルシュタル、リラン、マリス王子、そして手下とおぼしき連中が三人だ。クルシュタルなる者の顔は知らぬが、師と同じくらいの年輩の男で間違いないか」

「相違ございませぬ」

「先頭に陣取っているのは、やはりクルシュタルだ。そのすぐ背後でリランが苛立っている様子だったな。そして後方で手下どもがマリス王子を見張っている」

それはまずまず好都合だった。一番の狙いはクルシュタルだからだ。