翔んでアルミナリア

「どうだ我が師よ」
リュシウス帝の目が好戦的に光る。

エストライヘル師が重々しく頷く。
「必ずや、私めとセレマイヤで為し遂げてみせましょうぞ」

「姫様、マリス王子は、ザンテ語を覚えておいででしょうか?」

わたしの問いかけにエレオノア姫は、二、三度まばたいて「十歳まで父君やわたくしと使っていましたし、ザンテ族の長老はマリスが十二歳まで王宮に逗留していたと聞いています。問題なく話せるはずです」と答えた。

「ということは、相手に内容を知られずに情報の伝達ができるということか」
合点がいったように、皇帝があごに指を当てる。

言わんとすることをすばやく読み取ってくれるのがありがたい。

そこからは声をひそめつつ、わたしが大まかに描いた作戦の細部を皆で練り上げていった。
時間はない。そしてチャンスは一度きりだ。
最後、どうしても回避の手が見いだせなかった懸念は、クルシュタルが破れかぶれで導力を暴走させることだった。
死なばもろとも、というやつである。

しかしもはやわたしたちには、この作戦に賭けるしかなかった。