翔んでアルミナリア

それはすぐに見つかった。
穹窿形の壁面に、台座のように切れている箇所がある。下からは分からないが、おそらく平らに物を載せられるようになっているのだろう。

「あそこにあるはずです」
エレオノア姫の声には確信がこもっている。

見えない対象に導力を及ぼすのはかなり高度な技らしいが、エストライヘル師はいとも簡単にそれをやってのけた。

コトッとなにかが動く微かな音がする。すぐに見えない手に掴まれたように、岩の上から四角く小さい物が現れた。箱だろうか?

スーと宙を滑らかに下り、そして所有者たるエレオノア姫の前へと。
姫様がその下にそっと手を添える。女性の手でも持てるほどの木の箱だった。蝶番で開閉する造りのようだ。

「変哲もない木箱です。導力の類いは施されておりませぬ」
エストライヘル師が告げる。

一見するとこれに? と首をかしげたくなる普通さだ。

「鍵も見当たらないし、封もされていないようです。開けてみます」

かすかに震えているエレオノア姫の指が蓋を押し上げる。
ぱかっと抵抗なくそれは開いた。王家の宝とはいったいーーー