「蓮の花を象ったカリンガ王家の紋章です」
エレオノア姫が答える。
紋章は二又に分かれた道の、向かって右側に彫られていた。
「右を行けということか」
確認するような皇帝の言葉に「いえその逆を行きます」とエレオノア姫。
どこまでもトラップをかけてくる。考えた人物はかなりのひねくれ者ではあるまいか。
いや、不意に蓮の花が出てきたから連想したわけじゃないんだけど、と内心言い訳する。
とまれ洞窟の中をさらに進む。
うねった複雑な道のりだった。直角に近いほど湾曲した地点や、行き止まりの横穴に何ヵ所か遭遇した。
光の案内も途絶えたなか、とにもかくにも先へ行くしかなかった。
先頭を行く皇帝の足が止まった。理由は明らかだ。
「行き止まりだ」
まさか道を間違えたか? と一瞬不安に陥ったが、エレオノア姫に視線を向けると、狼狽した様子はない。
「周囲に光を。棚のように張り出した岩があるはずです」
エレオノア姫が首をそらせて上部に視線を巡らせる。
エレオノア姫が答える。
紋章は二又に分かれた道の、向かって右側に彫られていた。
「右を行けということか」
確認するような皇帝の言葉に「いえその逆を行きます」とエレオノア姫。
どこまでもトラップをかけてくる。考えた人物はかなりのひねくれ者ではあるまいか。
いや、不意に蓮の花が出てきたから連想したわけじゃないんだけど、と内心言い訳する。
とまれ洞窟の中をさらに進む。
うねった複雑な道のりだった。直角に近いほど湾曲した地点や、行き止まりの横穴に何ヵ所か遭遇した。
光の案内も途絶えたなか、とにもかくにも先へ行くしかなかった。
先頭を行く皇帝の足が止まった。理由は明らかだ。
「行き止まりだ」
まさか道を間違えたか? と一瞬不安に陥ったが、エレオノア姫に視線を向けると、狼狽した様子はない。
「周囲に光を。棚のように張り出した岩があるはずです」
エレオノア姫が首をそらせて上部に視線を巡らせる。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)