翔んでアルミナリア

誰一人として、こけつまろびつというへまをしでかさないのは、集中力の成せるわざが。
大きくくくれば若者で構成された一行(パーティー)にあって、ただひとり老年であるエストライヘル師の体力も考えてみれば驚異的だ。

さすが数人しかいないという大導師の尊称はだてではない。あらゆる意味で超人的だ。

先頭をゆく皇帝が立ち止まり振り返った。
「反射が途切れた」

「まだ光は射しています」

エレオノア姫がいうように、月の光はまだ消えていない。ここまで伸びて岩壁の一点を指している。しかし、今までのようにそこから反射が起こらないのだ。

「ここが終着点ということか?」

皇帝の問いと時機を合わせるように、わたしたちをここまで導いた光が細く淡くなり、そして皆の見ているなかで、完全に消えていった。

外界で月の位置が変わったのだ。
事実をいえばそれだけなのに、清かな月の光が消えてしまうと、守護天使を失ったような心地だった。

「岩壁になにか彫ってありますな」
エストライヘル師が口にする。

最後に光が指していた箇所へ、皇帝が燐光石を近づける。