オンテ・ションとは、ここでお別れとなった。
グァナコの手綱を返し、来た道を戻ってゆくオンテ・ションに一同は頭巾を取って感謝の意をあらわした。
「ひとつ指の岩は、宝へと至る道を示してくれます。それは三の月と九の月の末の数日だけなのです」
おごそかにエレオノア姫が告げる。
この世界も地球と同じく、太陽暦を用いており、一年の月数も十二と共通している。そして今は九の月の末だ。
「太陽が地平線に近づいた時、この指の影が伸びる先が道を教えてくれるはずです」
なるほど、それが日と月の巡りか。
それにしても道ということは、まだまだ先があるのか。果てしなさに気が遠くなりそうだ。
日没まであと数時間はありそうだ。今、指の影の先端はまだ短い。
ひとまずは待機となった。
皇帝とエレオノア姫、エストライヘル師とセレマイヤ、そしてわたしと蓮くんと、自然と三組に分かれる。
めいめい近くの岩に腰を下ろして、手持ち無沙汰な時間を過ごす。
わたしたちも、とりとめのない会話をしたりぼんやり空や影を眺めたりしていた。
蓮くんの昆虫講座を聞いたせいか、トンボが飛んでいるのが目に入った。
夕焼け小焼けの…と心の中で童謡を口ずさむ。
グァナコの手綱を返し、来た道を戻ってゆくオンテ・ションに一同は頭巾を取って感謝の意をあらわした。
「ひとつ指の岩は、宝へと至る道を示してくれます。それは三の月と九の月の末の数日だけなのです」
おごそかにエレオノア姫が告げる。
この世界も地球と同じく、太陽暦を用いており、一年の月数も十二と共通している。そして今は九の月の末だ。
「太陽が地平線に近づいた時、この指の影が伸びる先が道を教えてくれるはずです」
なるほど、それが日と月の巡りか。
それにしても道ということは、まだまだ先があるのか。果てしなさに気が遠くなりそうだ。
日没まであと数時間はありそうだ。今、指の影の先端はまだ短い。
ひとまずは待機となった。
皇帝とエレオノア姫、エストライヘル師とセレマイヤ、そしてわたしと蓮くんと、自然と三組に分かれる。
めいめい近くの岩に腰を下ろして、手持ち無沙汰な時間を過ごす。
わたしたちも、とりとめのない会話をしたりぼんやり空や影を眺めたりしていた。
蓮くんの昆虫講座を聞いたせいか、トンボが飛んでいるのが目に入った。
夕焼け小焼けの…と心の中で童謡を口ずさむ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)