翔んでアルミナリア

運命に翻弄されながら、カリンガ王女としての使命をひとり抱いて生きてきた姫君。

難解なザンテ語と宝の隠し場所を秘め続けてきた、才智と強い意志に、誰もが、おそらく皇帝陛下さえも驚いているはずだ。

エレオノア姫は籠の鳥でいるべきじゃない、とお節介ながらそう思う。
大きく羽ばたく翼を持っているのだから。

鳥といえば、ではないけど、エストライヘル師は今日も導力の圏内に入った鳥を操り、周囲の警戒を続けている。
師が操る鳥を見ると、この荒野には意外に様々な種類が生息しているようだった。野生動物の逞しさに驚かされる。

「追ってくる者は見つからぬか」
皇帝が振り向いて尋ねている。

「は、ですが、この地は身を隠す岩陰も多うございます。もし相手がこちらの動向を何らかの手段で察知していれば…」
導力に集中しているせいなのか、師の返答は歯切れが悪い。

「そのような離れ業、はたして可能なのか」
皇帝が自問するように口にする。

こちらの動向を把握し、鳥瞰の監視も避けながら追跡する。
無理だろう、と信じたいところだ。