翔んでアルミナリア

その晩は、ザンテ族の住居であるテントのひとつに泊まらせてもらった。これは女性だけの特別待遇だ。

いつもよりお腹が満たされていたおかげか、あっけなく眠りに落ちてゆく。なにか夢を見た気がするけど、覚えていなかった。

それでも神経が張りつめているのか、いつもより早い時間に目を覚ました。夜が明けようとしている。
ザンテの人びとはもう起き出しているようで、入り口の布がたくし上げられていた。

寝袋の中で顔だけ動かして、外に目を向ける。

バルバンダの夜明けの情景は、鮮烈で美しかった。
大地に取り残された奇石群が、闇に沈んでいる。やがて赤い地平線から日が昇り、黄金の矢がテントの中に射しこんでくる。

おそらくは最後に近づいてきたこの旅を、明るく照らしてほしいと願わずにいられなかった。