翔んでアルミナリア

「だとしても、蓮くんだって見当ついてないんでしょ?」

「そうだけど…覚悟しとかなきゃいけないと思って。実花子のことは俺が守るつもりなんだけど」
もの憂く口にする。

「覚悟、って皇弟一味の襲撃のこと?」

「それがいちばん不安だ」蓮くんがうなずく。

「ほんとにわたしたちを尾けてきてるのかな?」
今のところ、鳥瞰でも姿は見つけられていないようだ。

「なんせ反抗期のネガティブな面を詰め込んだキャラクターだから。反抗期、って理屈じゃないしなにをしでかすか…」

自分を重ねているんだろうか。

反抗期かぁ。だったらわたしだって十七歳だ。反抗期まっただなかのはずなんだよな。
しかし自分ではいまいちピンとこない。ひとりっ子で、誰かと比較されることなく伸び伸びと育てられたためか。
はたまた両親の共通の趣味である、山登りのおかげかもしれない。

山の天候は先が読めず、しばしば理不尽だ。自然の気まぐれに馴らされて、登山家は忍耐力を身につけるのだと父は冗談交じりに話していた。