翔んでアルミナリア

徒歩で悠然とゆくオンテ・ションに従って、隊は奇岩地帯を移動する。
近くに滞留している、という言葉から想像した距離の何倍かを歩いて、ようやく他の人影が見えてきた。
近い、の概念が違うみたいだ。そして早くも垣間見えるザンテ族の体力と方向感覚に驚かされる。

旅人を引き連れてきたオンテ・ションの周りに、人が三々五々集まってくる。女性や子どもの姿もある。
痩せた犬や、羊に似た家畜らしき動物も見受けられた。

支柱になめした皮をかぶせた住居がいくつかと、ひとつだけ赤土を盛り上げたドーム型の住居があった。
オンテ・ションが赤土の住居の入り口にかけてある布をめくり、中に入っていく。

ほどなくして一人の老人が中からあらわれた。このコロニーの長老なのだろう。

エレオノア姫がふたたび頭巾を取りさり、慎重な足どりで長老に歩み寄る。

ザンテ語で長老に挨拶の言葉を述べる。
“古き友よ、カリンガ王女エレオノアです” といった意味のことを口にしたらしい。