翔んでアルミナリア

それにしても絵になるお二人だ。
シャクシャクと残りのントゥガを(かじ)っていると、蓮くんが寄ってきた。

生真面目な表情で、皮に乗せた残りのントゥガの一切れを「あげる」と差し出してくる。

「え、いいよ」
というか、なんで陛下の真似?

蓮くんは頑なだった。
「今日の水の残りも沢山あるし、いざとなれば俺は導力が使えるから」

水と導力は関係ないだろう。破茶滅茶な理屈をこねてくるなんて、蓮くんらしくない。

視界の斜め前のたたずむローサが「もらってあげなさいな」と言いたそうな表情でこちらに視線をよこしている。

「…じゃあ、半分こしようか」
ここはエレノア姫に倣うことにした。

蓮くんは喜色を押し殺すように口元を結んで、導力でントゥガを二つに割ってみせた。

ありがとうと、受け取って口に入れる。

関係の相似に気づき、偶然だろうかと思い巡らせる。
リュシウス帝とエレオノア姫。蓮くんとわたし。

エレオノア姫をこの状況に巻き込んで(といったら不敬罪に当たりそうだけど)しまった遠因は、リュシウス帝にあるといえる。
そして意図せずとはいえ、わたしをアルミナリアに連れてきたのは蓮くんだ。