翔んでアルミナリア

導師セレマイヤがわずかに手を動かしただけで、ントゥガの表皮はばきりと裂け、みずみずしい肉があらわれた。

セレマイヤは腕のいい調理人のように、剥がした表皮の内側を表に向けて地面に敷くと、その上に柔らかい内部の組織を手ごろな大きさに切り分けて並べてゆく。
見事な手際に、そこここで感嘆の声がもれた。

しかし切り落とすのは、ントゥガの半分までだ。乾いた地に生える恵みを根絶やしにしてはならない。

それでも動物も含め、めいめいに二切れずつは行き渡った。

皮を皿がわりにして手づかみで自分の分にかぶりつく。ントゥガはきゅうりを大味にしたような味と食感だった。
今のわたしには、疲れも吹き飛ぶ美味に感じられる。

夢中で一切れをほおばって一息つくと、リュシウス帝とエレオノア姫がなにごとかやりとりしているのが目に入った。

どうやら陛下は自分の分の一切れを、寵姫に分けようとしているようだった。
しかし姫様は、それを固辞している。

横目でこっそり見ていると、しばしのやりとりの末、陛下は残りの一切れをナイフで半分に分けた。
ふたり並んで腰を下ろして、それを半分ずつ食べ始める。なんとも睦まじい様子だった。