翔んでアルミナリア

「それではおやすみなさい、ローサ、ミカコ」
やさしい声でつぶやく。

おやすみなさいませ、とローサがランプの灯を吹き消す。

「おやすみなさいませ」とわたしも真似して口にして、暗闇の中でもぞもぞと寝袋にもぐりこむ。

目を閉じるとまぶたの裏に、先ほどのエレオノア姫の姿が浮かびあがってくる。

身にまとっているのは、わたしたちと同じく乾燥地帯で用いられている白い簡素な装束だ。
現実世界でいうと、中東地域の民族衣装のトーブに似ている。

後宮に秘されていたときのような、繊細なドレスは着ていないし、化粧もしていない。装飾品ひとつ身につけていない。
乾燥した風と、強い陽射しにさらされてもなお、エレオノア姫の美しさは、褪せるということがなかった。

ファンタジー世界だということを差し引いても、真に美しいひとだ。

どうかこの旅の結末が、媛様にとって幸せなものであるように…そう願ううちに日中の疲れはすぐに思考を侵食してきて、わたしはたわいなく眠りに落ちていった。