翔んでアルミナリア

煮炊きの煙で追っ手に場所をさとられないよう、調理はなるべく短時間で行われた。

一日の終わりには、自分の馬に感謝の気持ちをこめてブラシをかけた。この旅で身につけたことの一つだ。
そしてわずかばかりの乾燥飼料を与える。

この荒野に自生するわずかな植物を喰むだけでは、とても一日の労働に見合わない。
しかし飼料にも限りがあるので、少ししかやれないのが心苦しかった。

動物にとっても人間にとっても、厳しい旅だった。

夜は狭いテントで野営する。
窮屈な空間だけれど、随身の兵たちは夜の間も交代で見張りに立ってくれているのだから、夜通し寝られるのはありがたいことだった。

必然的に女性は一つのテントに集められるので、わたしはエレオノア姫とローサと寝袋を並べて寝ることになった。

最初はもちろんひどく緊張したけれど、姫様はいたって自然体だった。

日中はゆるく三つ編みにしている長い髪をほどいて、手でかるく梳く。絡まるという言葉を知らないように、淡い色の髪はさらさらと姫様のほっそりとした身体にそってこぼれ落ちる。