翔んでアルミナリア

日中の日差しはたしかに強いけれど、空気が乾燥しているので、肌を白い装束で覆っていればそれほど暑さに苦しめられることもなかった。

神経を使うのは水分補給だった。
一日に飲める水は一人につき、グァナコの胃袋で作った水袋一つ分だけだ。それは随員であれ皇帝であれ同じだった。

喉が乾いたからといって、ガブガブ飲んでいたらあっという間に無くなってしまう。
そのため水は一度に四口まで、と教えられた。それは脱水症状を起こさず、水を日が暮れるまで保たせるザンテ族に伝わる知恵だそうだ。

とはいえ自分で責任を持つのは水の配分くらいで、あとは馬に任せて隊に連なっていればいいのだから、気楽といえば気楽だった。

そのかわりというか、食事と寝床の質は格段に落ちた。
支給される主食は、これ以上ないほど固くガチガチに焼かれた平たいビスケットのようなもので、バムと呼ばれていた。
口の中でよくよく噛みしめて、さらに水を口に含んでようやく流しこめるといった代物だ。

朝は、バムが一枚。昼はバムに、これまたよく乾燥している果物が数粒ついた。
夜がいちばんのご馳走で、塩漬けの肉と乾燥イモを、貴重な水で煮込んだごった煮がふるまわれた。誰もがバムをひたして、一滴の水分も残さず平らげる。