魔界の華は夜に咲く

時を止めたかの様にセヴィオはジッと侍女を見つめる。


「セヴィオ・・様」

期待した侍女の頬が喜びで紅く染まったが、次の瞬間セヴィオの口からため息が零れた。


「・・やめとく」

「さ、さようでございますか」


前々から屋敷にも外にも体だけの関係を持つ者はいた。
だが、今はセンジュ以外他の誰ともしたいと思わなかった。
逆に吐き気すら催してくる。


「行って」

「はい。失礼いたします」

パタリと静かにドアが閉まるとまたセヴィオは机に項垂れた。


_マジかよ。青春してんのかよ。クソが。


「あーー。めんどくせ、かっこわりぃ」