魔界の華は夜に咲く

食卓テーブルにはとりどりの食事が用意されていた。
大皿に盛られたサラダや、バゲット、スープなど。前菜だ。


「お好きな物はなんでしょうか」

「あ・・大体・・好きです。なんでも・・」

「かしこまりました。ではサラダからお取りいたしますね」


侍女はなんでもやってくれる。
母と暮らしていた頃に経験があるわけが無く戸惑いを隠せない。
正直、気疲れしている。


_もっと普通に食べたいかも・・。


緊張しながらうつ向いていると、頭をぽんと撫でられた。


「悪い、待たせた」

「セヴィオ」

「仕事先にやっとかねえと、明日めんどくさいし。丁度頭も冷えたし」

「あ・・うん」



ほっとした矢先、気まずさもこみ上げてきた。


「俺が言うのもなんだけど、気にしないで食えよ」

「えっと。・・うん、わかった」



_思ってるよりセヴィオは大人かもしれない。私と違って気持ちの切り替えが出来てる。私はセヴィオを見るとまだこんなに体に力が入らないし、余裕ないのに。ああ、ダメダメ!折角こんなに美味しそうな料理が沢山あるのに!

センジュは近くにあった水を飲み干した。


「い、頂きます!」