魔界の華は夜に咲く

「よお、お疲れ」


ビクーンッ!!

突然聞こえてきた声にセンジュの体は跳ねあがった。
背後にいつの間にかセヴィオが立っていた。
バルコニーから入ってきた様だ。


「び・・っくり・・した」

「あ、わりわり。ま、ワザとだけど」

「えっと・・セヴィオ・・君?」


ゾゾゾ
とセヴィオの背筋に鳥肌が立った。


「気持ち悪ぃ呼び方はやめろよ。俺もあんたをセンジュって呼ぶから」

「あ・・はい」

「まあ、姫様が良いっていうんなら合わせるけど」

「それはやめて」

「って言うと思った。あ、敬語も無し」


笑いを殺す様にクククと八重歯を見せる。
その態度にセンジュはすぐにしかめっ面になった。
セヴィオの印象は最初から少しも良くない。馬鹿にしに来たのだと思った。


「何しに来たの?」

「はあ?様子見に来てやったんだろ。フォルノスにイジメられた後のあんたを見に」

「べ、別にいじめられてないし・・」


不貞腐れた様子のセンジュにセヴィオは笑いを堪えるのに必死だった。
感情むき出しのセンジュを面白そうに見ている。


「ぶっ・・何もされてねえのか?あいつに」

「あいつって・・フォルノスに?」

「ああ、よく生きてるじゃねーか。あいつなら本気であんたを殺す可能性あんのに」

「え、やっぱりそうなんだ・・」


センジュの背筋に寒気が走った。


_もう絶対に関わりたくない。怖すぎるし酷すぎる。



セヴィオはそのままベッドに座って話を続けた。