それからと時が経ち太陽が昇った。
次の日、センジュの護衛についたのはエレヴォスだった。
朝食を食べ終え支度が済んだ後、ソファーで俯いて悩んでいる様子のセンジュにエレヴォスはいつも通りニコニコと笑顔で接する。
しかし内心は嫉妬の炎が燃えている。
_明らかに様子がおかしいですけど・・まさかフォルノスと何か進展があったのでしょうか。普通にイラついてしまいますね。
「昨日は大変でしたね。スラム街は今日は落ち着いているとのことですよ」
「あ、はい・・昨日はフォルノスが助けてくれたのでなんとかなりました」
「フフ、思い悩んでいるのはフォルノスのせいですか?あの後何かありましたか?」
ドキン
「え、ち、違いますよ!何もありません!」
_うーん、絶対に何かありましたね。分かりやすいところも可愛いですけど。意地悪してしまいたくなる。
「フォルノスは昨日も相変わらずの様でしたね。あなたの部屋から帰ってきてからも」
「相変わらず・・ですか?」
「ええ、どうしてあんなに女性に対して冷たくあしらえるのか・・私にはさっぱりわかりませんが。あんなに乱暴にして侍女が可哀そうです」
「え!?」
ドキン
_つまりそれって・・私が拒否したから他の女の人を・・って事?う、うそでしょ?
モヤモヤモヤ
胸が急に苦しくなってきた。
_うっ・・考えるだけでなんか胸の辺りがモヤモヤする・・最悪。ていうか、やっぱあの人女なら誰でもいいんだ!私じゃなくてもいいんじゃん!!うぐううっなんかムカつく~っ!!
怒りを我慢して拳を握りしめているセンジュだ。
「センジュ?」
「え、は、はい!」
「あなたの様子もおかしいですね。まだ熱があるのでしょうか」
と、エレヴォスはセンジュの額に手を添えた。
「熱はもう平気です。ちょっと吐き気が・・ハハハ」
と、笑って誤魔化したがエレヴォスはセンジュの下手くそな嘘笑いに眉をしかめている。
「本当にフォルノスとは何もありませんから!お互いキライですし!」
「それなら良いのですけど。あ、そうです。暴動の件はフォルノスが珍しく貴女に感心していましたよ」
「はい!?あの人がですか!?」
「ええ、私もそれには驚きましたが。スラムの住民を貴女がしっかりと治めたと、我が君に報告していました」
「でも・・最後はフォルノスがまとめてくれて」
「でも、そこまで行きつくにはあなたの言葉が住民に響いたからだと私も思いますよ」
「・・そう言ってもらえると嬉しいです。私・・もっとこの世界の勉強しなくちゃって今回の件で思いました」
「うんうん、素敵ですよ。とても王女らしくなってきましたね」
春に咲き誇る花の様な笑顔でエレヴォスは頷いた。
穏やかで安心する存在だ。
エレヴォスの笑顔を見るとセンジュも絆され肩の力を抜くことができた。
「しかもあのフォルノスが支援金まで出したそうです」
「え!?そんなの聞いてません!ホントに!?」
「ええ。セヴィオも先に動いている様でしたが、同時にフォルノスも自分の資産から街の一部を立て直すとの事で・・私もアルヴァンも驚いているのです」
「それは・・私も・・驚きました」
_信じられない。他人に興味がないって言ってたフォルノスが・・なんで?
不思議そうに首を傾げているセンジュの頭を撫でながら、嬉しそうにエレヴォスは言った。
「あなたの力ですよ」
「・・え?」
「あなたの心がフォルノスを動かしたのです。あの氷の様な鉄の様な、フフ・・頑固で鋼の様な男をね」
「そんな、私は何も・・」
「あなたが来てからというもの、私は楽しくて仕方ありません。魔界に変化をもたらし始めている。我が君もとても幸せそうにしてらっしゃいますし」
「そうなんですか?」
「ええ、だから自信を持って。これからも頑張りましょう。私も応援します」
そう言われ、どこからか力が湧いてくる感覚になった。
_エレヴォスさんに言われるとほっとする。もっと頑張ろうって思えてくる・・本当に良い人だな。心を穏やかにする天才かも。
嬉しさのあまり下を向きながら微笑むセンジュにエレヴォスは手を差し伸べた。
「今日は私の初めての護衛です。安心してここで過ごしてくださいね」
「・・はい!ありがとうございます。あ、でも・・」
「どうしました?」
「風邪で訓練を休んでたんです。まだ自分の力も発揮出来てないし・・エレヴォスさん見てもらえませんか?」
「ええ、そういう事でしたら喜んで」
頼られる事が嬉しかったのか、エレヴォスはワクワクしながら立ちあがった。
「では訓練所へ行きましょうか」
「はい!」
_なんかまだ胸の辺りがモヤモヤしてるけど、違う事をすれば忘れられるかもしれない!うん!きっとそうだ!
じっとしているとフォルノスの顔が自然に脳裏に浮かびあがってくる。
無理やり行動する事にした。
次の日、センジュの護衛についたのはエレヴォスだった。
朝食を食べ終え支度が済んだ後、ソファーで俯いて悩んでいる様子のセンジュにエレヴォスはいつも通りニコニコと笑顔で接する。
しかし内心は嫉妬の炎が燃えている。
_明らかに様子がおかしいですけど・・まさかフォルノスと何か進展があったのでしょうか。普通にイラついてしまいますね。
「昨日は大変でしたね。スラム街は今日は落ち着いているとのことですよ」
「あ、はい・・昨日はフォルノスが助けてくれたのでなんとかなりました」
「フフ、思い悩んでいるのはフォルノスのせいですか?あの後何かありましたか?」
ドキン
「え、ち、違いますよ!何もありません!」
_うーん、絶対に何かありましたね。分かりやすいところも可愛いですけど。意地悪してしまいたくなる。
「フォルノスは昨日も相変わらずの様でしたね。あなたの部屋から帰ってきてからも」
「相変わらず・・ですか?」
「ええ、どうしてあんなに女性に対して冷たくあしらえるのか・・私にはさっぱりわかりませんが。あんなに乱暴にして侍女が可哀そうです」
「え!?」
ドキン
_つまりそれって・・私が拒否したから他の女の人を・・って事?う、うそでしょ?
モヤモヤモヤ
胸が急に苦しくなってきた。
_うっ・・考えるだけでなんか胸の辺りがモヤモヤする・・最悪。ていうか、やっぱあの人女なら誰でもいいんだ!私じゃなくてもいいんじゃん!!うぐううっなんかムカつく~っ!!
怒りを我慢して拳を握りしめているセンジュだ。
「センジュ?」
「え、は、はい!」
「あなたの様子もおかしいですね。まだ熱があるのでしょうか」
と、エレヴォスはセンジュの額に手を添えた。
「熱はもう平気です。ちょっと吐き気が・・ハハハ」
と、笑って誤魔化したがエレヴォスはセンジュの下手くそな嘘笑いに眉をしかめている。
「本当にフォルノスとは何もありませんから!お互いキライですし!」
「それなら良いのですけど。あ、そうです。暴動の件はフォルノスが珍しく貴女に感心していましたよ」
「はい!?あの人がですか!?」
「ええ、私もそれには驚きましたが。スラムの住民を貴女がしっかりと治めたと、我が君に報告していました」
「でも・・最後はフォルノスがまとめてくれて」
「でも、そこまで行きつくにはあなたの言葉が住民に響いたからだと私も思いますよ」
「・・そう言ってもらえると嬉しいです。私・・もっとこの世界の勉強しなくちゃって今回の件で思いました」
「うんうん、素敵ですよ。とても王女らしくなってきましたね」
春に咲き誇る花の様な笑顔でエレヴォスは頷いた。
穏やかで安心する存在だ。
エレヴォスの笑顔を見るとセンジュも絆され肩の力を抜くことができた。
「しかもあのフォルノスが支援金まで出したそうです」
「え!?そんなの聞いてません!ホントに!?」
「ええ。セヴィオも先に動いている様でしたが、同時にフォルノスも自分の資産から街の一部を立て直すとの事で・・私もアルヴァンも驚いているのです」
「それは・・私も・・驚きました」
_信じられない。他人に興味がないって言ってたフォルノスが・・なんで?
不思議そうに首を傾げているセンジュの頭を撫でながら、嬉しそうにエレヴォスは言った。
「あなたの力ですよ」
「・・え?」
「あなたの心がフォルノスを動かしたのです。あの氷の様な鉄の様な、フフ・・頑固で鋼の様な男をね」
「そんな、私は何も・・」
「あなたが来てからというもの、私は楽しくて仕方ありません。魔界に変化をもたらし始めている。我が君もとても幸せそうにしてらっしゃいますし」
「そうなんですか?」
「ええ、だから自信を持って。これからも頑張りましょう。私も応援します」
そう言われ、どこからか力が湧いてくる感覚になった。
_エレヴォスさんに言われるとほっとする。もっと頑張ろうって思えてくる・・本当に良い人だな。心を穏やかにする天才かも。
嬉しさのあまり下を向きながら微笑むセンジュにエレヴォスは手を差し伸べた。
「今日は私の初めての護衛です。安心してここで過ごしてくださいね」
「・・はい!ありがとうございます。あ、でも・・」
「どうしました?」
「風邪で訓練を休んでたんです。まだ自分の力も発揮出来てないし・・エレヴォスさん見てもらえませんか?」
「ええ、そういう事でしたら喜んで」
頼られる事が嬉しかったのか、エレヴォスはワクワクしながら立ちあがった。
「では訓練所へ行きましょうか」
「はい!」
_なんかまだ胸の辺りがモヤモヤしてるけど、違う事をすれば忘れられるかもしれない!うん!きっとそうだ!
じっとしているとフォルノスの顔が自然に脳裏に浮かびあがってくる。
無理やり行動する事にした。


