その日はぐっすりと眠る事が出来た。
熱でぼーっとしていたセンジュの髪を時折アルヴァンが撫でてくれた。
まるで親の様に。愛おしむ様に。
次の日になると熱もすっかり下がり動ける様になった。
「まだちょっと頭痛だけあるけど・・動けそう」
「無理はなさらないでくださいね」
「うん、リアさん。ありがとね」
「とんでもございません」
軽くシャワーを浴び、朝食をとっているとノックが聞こえた。
「入るぞ」
ドキン
「あ・・フォルノス」
声ですぐに解った。
「今日は俺が護衛らしい」
「そうなんだ・・」
「他のお仕事はいいの?」
「あるにはあるが・・任務だ。お前は気にする必要はない」
「あ、はい」
_相変わらずな人だな。
「リアさん、ご馳走さまでした」
「はい、おさげいたします」
リアは気を使ったのか、フォルノスが苦手なのか足早に部屋を後にした。
フォルノスが立ったままの状態に居心地が良くないので、ソファーへ促した。
「座ってよ」
「・・・」
黙って近くにあったソファーへ座った。
フォルノスはずっと黙ったままだ。
あまりにも気まずいので、センジュが気を使うしかなかった。
「えっと、今日は訓練はしないの?」
「お前の体調次第だ。まだ治ってないだろう」
「あ、うん・・でも少しなら動けるよ」
「それでぶり返しては元も子もないだろ」
「は、はい」
_ごもっともです。そういうところは気遣ってくれるんだ。
しん。
すぐに会話が途切れてしまう。
そしてそれに耐えられず挙動不審になってしまうセンジュ。
「あ、そうだ。昨日のフォルノスの力で治せないの?」
「何?」
「頭痛とかは無理なの?あ、でも余程の事じゃない限りは他人に使わないんだっけ」
無理やり見つけた話題だったが、意外と当たりだったらしい。
「来い」
ドキン
「え・・」
手を差し伸べられ、思わず目を丸くしてしまった。
「出来ない事はない」
「え・・え?」
「何してる。鈍いな」
腕を引かれ、隣に座らせられた。
バクバクバクバク・・・
心臓がもの凄く稼働している。
今日のフォルノスはまるで自分の知らない人の様だった。
フォルノスの手がセンジュの頭に乗った。
「ここか?」
「え・・あ・・はいっ」
_ぎゃあああっ!!!緊張する!!どうしちゃったの!?この人本当にフォルノス!?
「目を閉じろ」
「ひゃ、ひゃい」
上ずってしまい声がひっくり返った。
ぽわぽわと頭に温かい感覚があった。
ズキズキと重い痛みが少しづつ引いてゆく。
10秒ほどであっと言う間に痛みが消えた。
「え・・・凄い」
「大したことではない」
「ううん凄い!凄くいい力だよフォルノス!!」
「・・・」
センジュは興奮して目を輝かせていた。
「・・うっとおしい目だ」
フォルノスはセンジュに背中を向けた。
「いいな、私もそういう力だったら欲しいなぁ」
感動しているセンジュを横目でフォルノスを睨んだ。
「良い事ばかりではない。使い方次第ではな」
「でも、使い方がわかってれば色んな人を助ける事が出来るでしょ?」
「だから・・お前の様なヤツにこの力があったら大変な事になる」
「え?」
言っている意味がわからなかった。
「お前みたいにぬるい人間が人を助けまくって、引っ掻き回すのだろう。想像できるぞ」
「何それ酷い!そんな事・・」
「いや、俺にはわかる。お前はそういうヤツだ」
その言葉には流石にカチンと怒りスイッチに切り変わったセンジュだ。
「もう!口を開けば否定ばっかりしてさ!勝手に決めつけて!!どうしてそうなるわけ!?ホント性格悪い」
「否定ではない。全部忠告だ」
「それが否定だって言ってるの!私の何がいけないの!?フォルノスは私をいつも怒らせるよね」
「怒るのは勝手なお前の脳みそだ。俺は面倒が嫌いなだけだ。労力の無駄だからな」
「うむうううううっ・・」
_くっそーーー!!いっつも顔色変えずに!!なんかアルヴァンさんが怒ってたのわかる!!絶対ワザとだこの人!!いつも自分が正しいって顔してる!!
「願わくば、お前がただの人間である事だな」
「それは・・別に人間でいいけど。でもこの魔界で生きれないって言ってたじゃない」
「その為に我らがいる。お前は余計な事をしないでいい」
「余計な事って・・何」
それを聞くとフォルノスは押し黙った。
「もぉ・・フォルノス・・嫌いだ」
「・・・」
言い返しても来なかった。
熱でぼーっとしていたセンジュの髪を時折アルヴァンが撫でてくれた。
まるで親の様に。愛おしむ様に。
次の日になると熱もすっかり下がり動ける様になった。
「まだちょっと頭痛だけあるけど・・動けそう」
「無理はなさらないでくださいね」
「うん、リアさん。ありがとね」
「とんでもございません」
軽くシャワーを浴び、朝食をとっているとノックが聞こえた。
「入るぞ」
ドキン
「あ・・フォルノス」
声ですぐに解った。
「今日は俺が護衛らしい」
「そうなんだ・・」
「他のお仕事はいいの?」
「あるにはあるが・・任務だ。お前は気にする必要はない」
「あ、はい」
_相変わらずな人だな。
「リアさん、ご馳走さまでした」
「はい、おさげいたします」
リアは気を使ったのか、フォルノスが苦手なのか足早に部屋を後にした。
フォルノスが立ったままの状態に居心地が良くないので、ソファーへ促した。
「座ってよ」
「・・・」
黙って近くにあったソファーへ座った。
フォルノスはずっと黙ったままだ。
あまりにも気まずいので、センジュが気を使うしかなかった。
「えっと、今日は訓練はしないの?」
「お前の体調次第だ。まだ治ってないだろう」
「あ、うん・・でも少しなら動けるよ」
「それでぶり返しては元も子もないだろ」
「は、はい」
_ごもっともです。そういうところは気遣ってくれるんだ。
しん。
すぐに会話が途切れてしまう。
そしてそれに耐えられず挙動不審になってしまうセンジュ。
「あ、そうだ。昨日のフォルノスの力で治せないの?」
「何?」
「頭痛とかは無理なの?あ、でも余程の事じゃない限りは他人に使わないんだっけ」
無理やり見つけた話題だったが、意外と当たりだったらしい。
「来い」
ドキン
「え・・」
手を差し伸べられ、思わず目を丸くしてしまった。
「出来ない事はない」
「え・・え?」
「何してる。鈍いな」
腕を引かれ、隣に座らせられた。
バクバクバクバク・・・
心臓がもの凄く稼働している。
今日のフォルノスはまるで自分の知らない人の様だった。
フォルノスの手がセンジュの頭に乗った。
「ここか?」
「え・・あ・・はいっ」
_ぎゃあああっ!!!緊張する!!どうしちゃったの!?この人本当にフォルノス!?
「目を閉じろ」
「ひゃ、ひゃい」
上ずってしまい声がひっくり返った。
ぽわぽわと頭に温かい感覚があった。
ズキズキと重い痛みが少しづつ引いてゆく。
10秒ほどであっと言う間に痛みが消えた。
「え・・・凄い」
「大したことではない」
「ううん凄い!凄くいい力だよフォルノス!!」
「・・・」
センジュは興奮して目を輝かせていた。
「・・うっとおしい目だ」
フォルノスはセンジュに背中を向けた。
「いいな、私もそういう力だったら欲しいなぁ」
感動しているセンジュを横目でフォルノスを睨んだ。
「良い事ばかりではない。使い方次第ではな」
「でも、使い方がわかってれば色んな人を助ける事が出来るでしょ?」
「だから・・お前の様なヤツにこの力があったら大変な事になる」
「え?」
言っている意味がわからなかった。
「お前みたいにぬるい人間が人を助けまくって、引っ掻き回すのだろう。想像できるぞ」
「何それ酷い!そんな事・・」
「いや、俺にはわかる。お前はそういうヤツだ」
その言葉には流石にカチンと怒りスイッチに切り変わったセンジュだ。
「もう!口を開けば否定ばっかりしてさ!勝手に決めつけて!!どうしてそうなるわけ!?ホント性格悪い」
「否定ではない。全部忠告だ」
「それが否定だって言ってるの!私の何がいけないの!?フォルノスは私をいつも怒らせるよね」
「怒るのは勝手なお前の脳みそだ。俺は面倒が嫌いなだけだ。労力の無駄だからな」
「うむうううううっ・・」
_くっそーーー!!いっつも顔色変えずに!!なんかアルヴァンさんが怒ってたのわかる!!絶対ワザとだこの人!!いつも自分が正しいって顔してる!!
「願わくば、お前がただの人間である事だな」
「それは・・別に人間でいいけど。でもこの魔界で生きれないって言ってたじゃない」
「その為に我らがいる。お前は余計な事をしないでいい」
「余計な事って・・何」
それを聞くとフォルノスは押し黙った。
「もぉ・・フォルノス・・嫌いだ」
「・・・」
言い返しても来なかった。