「ハハッ!あのセンセーまだ同じ事言ってるのかよ」

「そうなんだよ。成長しねえんだよな」

「俺達院に通ってて建物も別なのにあっちの規則押し付けてくるんだから」

「寂しんだろうなー」


セヴィオ達はカフェで2年ぶりの積もる話に花を咲かせ、大笑いした。
店自慢の巨大パンケーキも4人で早食い競争も始まり、センジュはずっと笑いっぱなしだった。


_こいつらとばったり会って良かったかもな。センジュも楽しそうにしてるし。いい気分転換になったな。


楽しそうにしているセンジュを見て、セヴィオは心を更に踊らせていた。
自分の好きな人が楽しそうに笑っている。
それだけで世界がキラキラと輝いてみえる。
そんな風に思った。
二時間ほど経った辺りでセンジュが席を立った。


「あ、私ちょっとレストルームに」

「ああ、もう少ししたら店出るから。この後は買い物に行こう」

「うん」

コクリと頷き、センジュは化粧室に向かった。


_はー、面白かった。久しぶりに大笑いしたかも・・。セヴィオに感謝しなきゃ。笑いすぎてメイク落ちちゃったかも。


魔界に来てから笑う事はあるものの、こんなに羽目を外して笑ったのは初めてだ。
事件も立て続けに起きていたのでもやもやとしたストレスを発散することができた。
嬉しい気持ちに酔いつつ歩いていると、突如化粧室の入り口で男が数人立ちはだかった。


ドクン
と胸から嫌な音がした。


「・・・え・・?」

「ふうん。顔はなかなか上玉じゃねえ?」

「こいつ耳が・・人間とのハーフか?」

「じゃあ何してもいいか」

「ちょ__」


声を上げようとした瞬間に男の大きな手のひらがセンジュの口を覆った。
2人がかりで抱えられ、セヴィオ達に見つからない様に素早く店を飛び出す。


_ヤダ!ヤダヤダヤダ!!助けてセヴィオ!!助けて!!!


抵抗出来ずにセンジュは店から連れ攫われた。