セヴィオとゼンの話を聞きながら他の2人も疑うわけもなくセンジュを見つめた。
うんうん、と少々哀れみの目で覗いている。


「学校卒業してから2年経つしな。セヴィオが四大魔将様に選ばれて、連れまで出来て・・」

「そうだなー。色んな出会い方があるんだなー。俺達とは生きる世界がもう違うんだな」

「それにしても捨て子を連れにするとか、セヴィオって意外に慈悲深かったんだな」

「ハハハ、確かに。めっちゃ意外」

「おい、意外ってなんだよ」


3人はセヴィオの言った事を信じて疑わない。よほど信頼しているのだろう。

「お前らはまだガッコー通ってるの?」

「ああ、俺とクロウは更に上の院に通ってるぜ。兵士として仕事しつつな。もっと色んな知識を極めたいし。コーマは親の後を継いで店で働いてるんだよな」

「ああ、そうだぜ。肉屋だ!今度肉食いに来いよ~」

「おお、いいな!お前の焼き加減見てやるよ」

「セヴィオは炎使いだからな~!火加減は煩そうだぜ」

「ハハ、それな~」


話に花が咲いている。
センジュは見守った。とても楽しそうなのでいつの間にか笑ってしまう。
そんな和気あいあいとした雰囲気だ。
こんなに楽しそうにしているセヴィオを見るのは初めてだ。
自然と自分も嬉しい気持ちになった。


_クラスメイトの男子達みたいだな。なんだかちょっと懐かしいな。


「近くに良いカフェがある。結構洒落た店だから、そこで話そうぜ」

「ああ、あそこか。センジュもいいか?」

「うん、いいよ」


_洒落た店・・ってもしかしてアルヴァンさんに連れていってもらったところかな。じゅるり。


思い浮かんだのは巨大なパンケーキだった。
センジュを含め5人で街で評判だという店へ向かった。


「あれは・・」


それを物陰から見ている不穏な輩が数人いた。
遠くから観察するように見ている。
街のスラムに住むごろつきだ。

「おい、あれ四大魔将のセヴィオじゃねえか?」

「・・ああ、間違いない。四大魔将だ」

「女連れてやがるな」

「いいご身分だなぁ。さぞかしいい暮らししてるんだろうな。俺達と違ってよ」


リーダー格の男がセヴィオを見つめながら悔しそうに壁を殴りつけた。